当院では運動器エコー積極的に使用しています。
エコーはレントゲンでは見えない筋肉・靭帯・血管・神経の描出に優れており身体には害がありません。診断はもちろん治療にも使用します。
以下の診断に有用です(下記だけではありません)
肉離れや捻挫、靭帯損傷、疲労骨折などのケガ
腱鞘炎や関節炎などでの炎症の評価
(※炎症の部分が赤く映り可視化できます)
手根管症候群などの神経の圧迫
肩の腱板損傷や石灰沈着
軟部腫瘍(できもの)
下肢閉塞性動脈硬化症(※血流の有無を評価)
治療にも使用します。
エコーを使用した正確な注射(肩関節、肘、手、足関節、足など)
※エコーを使用し正確に注射することで注射の効果を最大限に引き出すことが出来ます。
筋膜リリース(硬い筋肉をほぐす)
ハイドロリリース(筋肉に挟まれた神経を緩める)
【外傷編】
症例① 30歳 女性 肉離れ
バトミントンの練習中に突然、ふくらはぎが痛くなった。
足を引きずって来院され、ふくらはぎの腫脹と圧痛を認めた。
エコーにて肉離れの診断(レントゲンでは分からない筋肉の繊維の不連続や筋肉内の出血を確認)。松葉杖による安静とサポーター装具による圧迫固定、痛み止めの内服を開始。1週毎にエコーを行い、血腫の縮小を認めた。早期にリハビリを開始し約1か月でスポーツに復帰した。
症例② 25歳 男性 足関節捻挫
階段にて足を踏み外して足を捻って、歩けなくなり受診。足関節の外側の腫脹と圧痛を認めた。エコーにて足関節捻挫の診断。(レントゲンでは分からない靭帯の損傷の程度や関節の不安定性(グラグラ感)を確認出来ます)
1週間のみシーネ固定しその後、サポーター装具へ変更し痛みが軽減した。
【肩関節編】
症例① 73歳 女性 肩腱板損傷
原因なく肩痛出現。エコーにて腱板損傷の診断。(レントゲンでは分からない腱板の断裂が確認)。痛みが強かったため、断裂部位に痛み止めの注射を行った。急性期の痛みが軽減後にリハビリを開始し肩痛の軽減を認めた。
(痛みが強い場合は、エコーを使用し損傷部位に正確に痛み止めや炎症を抑える
薬液を注射できますので早期に痛みが取れる事も可能です。)
症例② 45歳 女性 肩石灰沈着
きっかけなどなく急に肩痛出現。エコーにて石灰沈着性腱炎の診断。エコーで確認しながら、石灰部を穿刺し石灰を吸引後に痛み止めを注射した。痛み止めを併用し痛みが軽減した。(エコーにて石灰化の部位を正確に同定し、痛みを取ることが出来ます)
【筋膜リリース】
エコーの進歩により筋膜がコリや痛みに関与していることがわかってきました。
エコーを用いて僧帽筋と肩甲挙筋の間の筋膜に針を入れて薬液を注入。筋肉と筋肉の滑りを良くして頑固な肩こりを軽減します。